第11章 自分の気持ち
6月2日IH予選…
二回戦とも蛍達はストレートで勝った。
あたしはすごっく喜んでいたけど
みんなの表情は固かった。
6月3日
青葉城西戦は、みんな精一杯やった。
ただまだ、手が届かなかった。
もう少し皆に時間があれば…
帰りに鵜飼監督のおごりで部員全員でご飯を食べて…。
悔しかった。
あと少し練習時間があれば勝ててたかもしれないのに。
みんなもボロボロ泣いていた。
蛍だけは表情を変えずに食べていたけど。
分かっている。
蛍の部活への熱とあたしの部活への熱が違うのは。
そこを責める気はない。
それでも蛍は恵まれた体格に
バレーが出来る体を持っているのだから…。
グッチーは島田マートに寄るっていい
蛍と二人っきりで帰る事になった。
蛍だけになったら我慢していたものが溢れて
「悔しい…ね…。みんなはきっと…もっと悔しいと思うけど…悔しい」
「仕方ないデショ。あっちが僕達より上手かっただけなんだから」
蛍は相変わらず表情もトーンも変えずにそう言う
「うん…だから…次は…どこにも…負けないでよ…蛍…」
「無理言わないでよ…。」
「春高…行くなら、もうどこにも負けられないよ…!」
蛍はそれに対して返事をせず、ただ黙っていた
泣き止まないあたしに蛍は呆れた様に落ち着きなよ
と言って背中をさすってくれた。
またね明日ね。
って言い別れた。
部屋でもあたしは悔しくて涙が止まらなかった。