第11章 自分の気持ち
三年生が春高まで部活に残る事が決定した時
正直嬉しかった。
またみんなで夢を追える。
それと同時にマネージャー仮入部で見学の子がやって来た。
谷地仁花ちゃんという小さくて可愛らしい子で
少しお話をして
潔子さんが説明することになったので
その間はあたしが潔子さんの分も
マネージャーの仕事を頑張って。
谷地仁花ちゃんが正式に入部してくれたけど
少しあたしによそよそしいかんじがしたので仲良くしようと
一生懸命あだ名を考えていた。
それに対して
わざわざあだ名を考えていただくなんて勿体ないです!罰が当たります!!
なんて言ってるその姿は面白いしいい子なんだと思った。
一生懸命あだ名を考えたけど思いつかないから
『ヒトちゃん』と呼んでいい?と聞くと
勿体ないですなんて言うから可笑しくて笑ってしまった。
最近帰りは蛍と二人っきりだ。
グッチーは嶋田マートに寄って自主練習をするから。
蛍はしないの?
とそれとなく聞いてみたけど
なんで?
と返されてから深く突っ込まないようにしている。
電車から降りたら蛍が
谷地さんに付き合ってるのか聞かれたから、付き合ってるって答えたから。
と言われた。
本当に正直に答えた蛍と
普段通りにしていたあたし達に
ヒトちゃんが気づいたのがびっくりだった。
なんでわかったんだろう?
と蛍に聞いたら
「さぁ?僕たちは普段通りだったと思うケド?」
「まぁ、蛍が嫌じゃないなら、いいじゃん!あたしはヒトちゃんと恋バナってやつが出来るしね!!」
蛍が嫌じゃないならあたしは本当に気にしない。
寧ろ蛍は他のクラスの女子から人気があるようだから
付き合ってるってバレたほうがいいとすら思っているけど。
そんな事言ったら呆れられちゃいそうだから言わない。
蛍は自分から女の子と話すタイプじゃないから
不安になることは少ないけど。