第11章 自分の気持ち

蛍は驚いたのかこっちを見てくれたけど…。

いつもなら、嫌味を言いながらも手を貸してくれるのに…

蛍は冷ややかな瞳で見ているだけだった。

もう優しくて色の白い大きなあの手はあたしには差し出されないのだと気づかされた。

もうこの恋は終わりなのだと。

これからは自力で立って歩かないといけないのだ。

恋というものに寄りかかってはいられないのだとわかったから。

蛍がまだこちらを見ている間に伝えておこう。

あたしの心が壊れちゃう前に…

「ごめんね…。あたしの事そこまで嫌ってるなんて…わからなかったから…いっぱい迷惑かけちゃったりしたもんね…。ゲームセンターもブッフェも楽しかった…。ありがとう。今までありがとう。さようなら…月島君…」