第11章 自分の気持ち
後ろに気配を感じて、プリクラ機がカウントし始めたら
蛍が屈んだのであたしがカメラに目線を合わせると
カウントが終わる頃合いで蛍に後ろから抱きしめられた。
もちろん映っているのはびっくり顔のあたしと
相変わらずカメラに目線を向けずに
あたしを見ている蛍だった。
からかわれているだけだ
ってわかっているんだけど。
それでも嬉しくて。
その後は同じように見切れている蛍だらけで…
その中から抱きしめられたものと
蛍が奇跡的に見切れていないものを選んで
落書きコーナーで落書きをして。
無理だろうなと思いながらも蛍にも書いてって催促したら
蛍&由佳
なんて書いてくれたから…
嬉しくて恥ずかしくて
「なんか照れますなぁ~!」
って誤魔化すように言うと
蛍の長い指でおでこをクイっと押された。