第11章 自分の気持ち
土曜日、アラームより先に起きてしまいそわそわしながら
掃除や洗濯を終わらせ、前日用意した服を着て
髪もゆるく巻いて結って纏めて
いつもよりちょっぴりだけ気づかれない程度に
リップの色を濃くしてみたりして…。
約束の時間より早く外に出るとやっぱりもう蛍はいて
「蛍、おはよ!」
と声をかけると、またあの顔をした…。優しい瞳…。
あたしじゃない人を映している顔。
でも折角遊びに誘ってくれたんだから
そんなこと気にしてたら楽しめないと思いながら。
そんな事を考えていたら
「おはよ。もう行くよ」
と歩き出すから慌てて蛍の左隣を陣取った。
色々あたしが話しているのを
蛍は聞いているのかわからない感じで相槌を打ちながら
「昼食の時間にスイーツのお店行くから。それまでは時間つぶさないといけないよ?」
「お昼がスイーツか!!いいね!贅沢だね!その周辺になんかしらきっとあるよ!!」
「そ、じゃ、それは任せるよ」
あたしが適当に言ったら、行動計画を任せられて…。
蛍に合わせるって言えばよかったぁ~…
ここら辺に何があるかまだ把握しきれてないのに。
そんなことを悶々と考えてたら目的地に到着してしまって…。