第11章 自分の気持ち
次の日は、当たり前だけどいつも通りに接した。
きっと昨日は夢と同じようなモノだったのだから。
放課後、教室であたしは
遅れそうだとバタバタと支度していると
蛍に昨日のCDは何だったのか聞かれた。
説明するのも少し恥ずかしかったので
元のCDケースと歌詞カードを渡してそれが答えのように振舞った。
「これ、わざわざ聞かせたかったワケ?」
「うん!いい曲あった?」
「別に…特には…」
「えー!10曲目の蛍火とか好きなんだけどなぁ。そうかぁ…残念」
蛍火は、綺麗にお互いの心を燃やしながら愛し合う
って感じの曲だったんだけれど
やっぱり蛍には興味がなかったかな…。
その後は普通に部活して普通に帰った。
それからはそんな当たり前の日常が過ぎっていった。
もちろんこの恋心を伝えられるはずもなく…。
そんなに神様はチャンスをくれるわけはないのだから。