第8章 月が意地悪に笑う
「小学生になった時位から自分でご飯作りだすようになって、ある時テレビでバレーボール見て、そのキラキラした選手の姿に憧れて、家にいても寂しいからって母親に言ったらすぐやらせてくれて。夜もどうせ一人だから、子供の部だけじゃなくて夜の部のママさんバレーにもお邪魔してね。皆事情知ってたのかもしれないけど、優しくしてくれて。中学上がったら一年でレギュラーになれてね、二年で全日本強化合宿選手に選ばれて…その頃から母親が会社から宮城に転勤してくれないかって言われてたんだけど、あたしはこのまま、ここでバレーをしていくんだ!って横浜の強豪校にも行きたかったから…。母親も理解してくれて断ってくれてたんだけどね。」
「へぇ~すごいじゃん。天才ってヤツデショ。」
違う…あたしは天才じゃなかったよ…時間があっただけなんだよ…。