第7章 人と人
「二人ともハズレです。辞書を読んで欲しいけど今日は特別に教えます。多分二人が言いたいのはクレバーです。意味は日本人相手だと、頭が良い人、冷静な人、巧妙とかって捉えられるけど、英語圏でだと、ずる賢い、と捉える人が多いから、人に使うときは、スマートがいいよ。悪意が一番無い単語だとあたしは思うから。スマートも頭がいいとかそういう類の意味です。因みにクレイジーは気が狂ってる、フレーバーは口に入れたモノの味や匂い触感です。はっきり言えばさっきの日向と影山の二人の会話がクレイジーだよ。」
「「スマートって細いじゃ…」」
蛍のドス黒さが充満してついにはじけた。
「…二人とも辞書も読めないワケ?あ~、そもそも辞書に載ってるひらがなが読めないって事かな?よくそれで高校受かったよね。」
「「そこまで言うことねぇだろ!!」」
「まぁまぁ、日向!影山!蛍も落ち着いて!二人には今度またちゃんと教えるから!今日はここまで!ね?」
そう言って二人の背中を押しながら教室から出して。
こんな事が多々ある。
でも、影山とバレーの話をするのは楽しいから好きだった。
スパイクの事、トスの上げ方、スパイクの時の踏み込み方、サーブ、心の持ち方等々。
でもそーゆー話をしていると必ず
蛍は教室からいなくなる。
それがとても不安でつい、
ついて行ってしまう。
鬱陶しいって思われるかもしれないと
頭では怯えながらも、
体と心は蛍を追って行ってしまう。