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【WJ】短編 -2-

第14章 【甘】この災難を彼女は〝運命〟と呼ぶ/相澤消太


 普通科の逢崎と関わる事になった切っ掛けは入学式が終わってまだ間も無い頃、何者かの手によって雄英のセキュリティが突破され、報道陣が校内に侵入して来た時の事。マイクと共に報道陣を抑える為に校門へと向かう途中、階段から転げ落ちるように落ちてきた逢崎を受け止めた事が災難の始まりだった。その時は急いでいた事もあり、安否を確認をし、それに頷いた逢崎をその場に残し校門に向かった。特にその時は逢崎の事など気にも止めていなかったが、翌日意気揚々と声を掛けてきた逢崎に思考が追いつかなかった。


『相澤先生は私の運命の人です!』


 〝電波系な生徒である〟というレッテルを貼り、適当に返事をしたが、以降特に用があるワケでもない逢崎は頻繁に俺の元へとやって来た。
 後に聞いた話、逢崎の個性〝予言〟が原因だと知った。これから起こる未来の出来事を断片的に予言するという個性で、その予言は今まで外れた事が無いと言う。逢崎を抱きとめてしまったあの日、〝生涯の伴侶と運命的な出逢いを果たす〟と予言していた逢崎は迷惑な事にそれを運命の出逢いと認識し、俺を生涯の伴侶だと勘違いをしている。これから先逢崎に対して恋愛感情を抱かない絶対的な自信があった。合理性を第一に考える俺にとっては、逢崎は理解し難い人間であり、異性としての好みとしては全く当てはまらない。それに加え、教師と生徒。年は一回り以上離れている。そんな相手に恋愛感情なんて抱ける筈が無い。そもそも、予言でそう出たからといって、よく知りもしないオジサン相手によくも好意を向けられるものだ。恋愛がどうこうと言えるような恋愛経験は無いが、間違い無く逢崎のそれは自身の気持ちを無視し、予言に振り回されていると明言出来る。


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