第8章 【甘】幼馴染みのその先/轟焦凍
「ねえ、焦凍。私さ、焦凍をエンデヴァーから守るのが私の役目だと思ってたの。けど、焦凍はもう充分強いし、泣かなくなった。もう私なんか必要無いと思ってるかもしれないけど…。まだ、焦凍の傍にいてもいい?」
「遥香は自分が間違えてると思ったら誰彼構わず、後先考えず突っかかってくだろ。それを傍で止めんのが俺の役目だろ。それはこれからも変わらねえ。変な遠慮すんな。急にしおらしくなられると対応に困る。」
「何それ!」
「そうやって怒ってる方がお前らしい。」
顔を見合わせ笑い合った。久しぶりに、心の底から笑えたような気がした。
「最近クラスでさ、焦凍と付き合ってんのかって言われんの。ただの幼馴染みだって言うんだけどさー。中学の頃も言われてたけど、高校入ってからは余計にね。やっぱ雄英のヒーロー科って目立つしさ。もう一々否定すんの面倒いんだけど。本当皆執拗くて。」
「なら付き合うか?」
「え?」
鳩が豆鉄砲を食ったように驚く遥香。聞こえていなかったのかと思い、再び同じ言葉を口にすると、顔を赤く染めた。
「自分が何言ってるのか分かってんの!?」
「ああ。」
「付き合うって事は手繋いだりするんだよ!?」
「今も繋いでるだろう。」
「いや、そうじゃなくて…!私と焦凍がキスしたりとか、抱き合ったりとか、それ以上の事とか…!」
「俺は遥香の事好きだし、そうしてーと思ってる。」
それを聞くと遥香はその場にしゃがみ込みんだ。