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【WJ】短編 -2-

第8章 【甘】幼馴染みのその先/轟焦凍


「ちょっと焦凍!離してよ!」


 繋いだ手を解こうとするが、俺はその手が離れないよう、強く遥香の手を握った。


「離したら親父の所に戻る気だろ。」
「当たり前じゃん!」


 未だに興奮が収まらねえのか、鼻息荒くそう答えた。こんなイノシシみたいな表情でさえ俺の為を思い怒ってるのかと思うと、可愛いく思えてしまう。


「お前が親父に突っかかる度に間に入る俺の身にもなれ。」


 何度となく口にしてきた言葉だが、遥香がその言葉に耳を傾けた事は無い。


「あー!エンデヴァーほんとムカつく!」


 早々に解放される事を諦めたのか、俺の手を振りほどこうとするのをやめ、代わりに道端に転がる石を蹴り飛ばした遥香。


「いつか絶対、あの顔ぶん殴って泣きっ面拝んでやるんだから!」


 仮にもNo2と呼ばれるプロヒーローである親父に対し、そんな事を言う女子高生は敵(ヴィラン)を除き遥香ただ一人だろう。


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