第7章 【裏】気が付けば、いつも視線の先に君がいた/赤葦京治
甘い雰囲気を打ち消すように、窓の外が光り、数秒遅れで、大きな音をたてて雷が鳴った。
「きゃあ!」
その音に驚いたのか、逢崎さんが俺に飛び付いてきた。咄嗟の事に驚きはしたが、そのまま逢崎さんを抱き留めた。
「ご、ごめんなさい…。私、雷苦手で…。」
いつもはただ目で追うばかりで、近くにいる事が無かったせいか、はたまた、気持ちが通じ合ってると分かったせいか、俺の胸の中でにいる逢崎さんの唇に自身の唇を重ねた。
二人きりの密室に、抱き合う男女。小さな唇から漏れる甘い声。
「赤葦くん…。」
離れた唇。キスを名残り惜しむように俺の名前を呼ぶ逢崎さん。理性を失わせるには充分過ぎる条件だった。
「嫌だったら言って。」
そう言って、彼女の唇に再び唇を重ねた。彼女の口内を犯すように、深く、解ける事の無いように、夢中で逢崎さんの唇を貪った。右手で彼女の腰を抱き、左手で胸の膨らみを掌いっぱいに堪能した。そこに触れた時、小さく体を跳ねさせはしたが、彼女は俺の手を受け入れた。次第にそれだけでは満たされず、彼女の服に侵入し、彼女の胸を締め付けるそれを取り払い、直に彼女の膨らみに触れた。小さいながらも、先端を突起して自己主張をするそれを指の腹で擦れば、俺の服をぎゅっと掴みながら、震えてる姿が可愛くもあり、愛おしくもあった。気持ちを伝えてすぐにこんな行為に及んでしまう俺を彼女は軽い男だと思うだろうか。けど、今まで彼女に触れたいと思う気持ちを抑え込め、我慢していた。当然のように逢崎さんに手を伸ばす木兎さんを恨めしく思いながら。逢崎さんが俺を受け入れてくれるなら、木兎さんさえ触れていない逢崎さんの敏感な部分に触れ、彼女が木兎さんを褒めるのを忘れてしまうくらい俺に夢中にさせたい。