第2章 ご褒美。
「それでも連れていきます。それが私の仕事ですので」
むー……。
みねに迷惑は掛けたくないけど……でも、やっぱりいや。
「お嬢」
そんな困った顔で見ても、いやなものはいや!と顔を逸らすも、やっぱりちらりと見てしまう。
「仕事……」
「お嬢?」
あれ?今私、何を言おうとした?
仕事だから私と一緒にいるのって言おうとした……?当たり前じゃない。仕事じゃなきゃみねは私といてくれない。だって、私の執事だもの。
「何でもない。……みねなんか嫌い」
そう言って、木から離れる。
ただの八つ当たりだ。
よくわからない自分が嫌になっただけで、別にみねは悪くない。
「私はお嬢のこと好きですよ」
「きっ、きら……きら……………好きぃーーーっ!」
みねにぎゅっと抱きつく。
やっぱり、みねの匂いはすごく落ち着く。
「三時間、ちゃんと頑張れたら、明日はお出かけしましょうか」
その言葉だけで、私の顔がぱあっと明るくなるのが自分でも分かる。
「と言っても、お嬢の新しい服を取りに行くだけですが」
「行く!行く行く行く!みねとデートする!!」
だったら三時間くらい!