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執事とお嬢。【R-18】

第2章 ご褒美。


「はぁ、はぁっ……」

こんなところで見つかるわけにはっ……!

「お嬢」

「ぴょっ!?」

足音なんてしなかったのに、いつの間に背後にいたの!?

「いつまで庭に隠れているのです?生け花の稽古に行きますよ」

近くにあった木に抱き着いて、抵抗する。だって、生け花の先生、とても怖いんだもん。

「たった三時間です」

「たった三時間じゃないもん!すごく長いんだから!」

ずっと正座だし、足痺れても崩させてくれないし、というかそもそもセンスがないし。いくら本家からの命令だとしても、あんまりだ。

「遅れてしまうと、更に長引きますよ」

みねが、相変わらずの無表情な顔で、恐ろしいことを口にする。

「それはいや」

でも、行きたくない。
生け花なんて、何の役に立つというのだろうか。少なくとも、私にとっては必要じゃない。

「でしょう?なら、早く行きますよ」

「それもいや」

ただのわがままだって知ってるけど、嫌なものは嫌なんだもの。
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