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執事とお嬢。【R-18】

第1章 ヤツが出た。


ヤツが出現した現場……自室にみねを連れていく。ヤツは、私が本(本家に内緒で買った恋愛小説)を読んでいる時に現れた。いつものように上から……ううっ、考えるだけで恐ろしい。

「どこにいるのです?」

「どこかにいるはずだから、もっと真剣に探して!」

「なら、お嬢も部屋に入ってきたらどうです?二人で探した方が早いでしょう?」

怖くて部屋になんか入れないに決まってる。だからみねを呼んだというのに。

そんなことを考えていると、上から何かが目の前に降りてきた。待って、これはもしかして……

「ひょぁああああーーー!出たぁーーーー!」

気絶しそうになるが、なんとか足で踏ん張って気を保つ。

「お嬢、今回は蜘蛛でしたか」

私が(精神的に)闘っているというのに、みねは呑気にそんなことを言っている。そして、手の上にヤツを乗せ、庭へと向かう。

「朝蜘蛛は殺してはいけないとよく言うでしょう?」

私の疑問を察したのか、みねがこれまた冷静に言う。朝蜘蛛を殺してはいけない、だなんて初耳だ。

「どうして?」

「蜘蛛に食べられちゃうからです」

「っ~~~!!?」

声にならない叫び声が上がる。
く、蜘蛛って人を食べるの!!!?

「冗談です」

「なっ!?みねのばか!」

「私は食べられかけましたけど」

「ひょっ!?」

「嘘です」

もうみねの言葉なんか信じない。
とか、思ってみたり。
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