rain of sensuality【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of sensuality
「ん・・・、・・ふ、・・・んん・・っ」
「いい子でいられたじゃねえか・・・ちゃんと、オレのことだけを考えてたみたいだな。・・名無し・・・」
「ッ・・・ナッシュ・・、・・・」
無作為にシーツを掴む名無しの手に、比較にならないほど大きなナッシュの手が覆い被さる。
彼の言葉を信じるかどうかを考える前に、懇願して、欲しいと思ったものを降り注がれて甲高く喘ぐその姿は淫猥そのものだった。
射精の瞬間ナッシュはいつものように悦を浮かべ、のちにまたいつものように嘲笑っていた。
けれど、膣中に彼の精液が広がった瞬間に振り向かされ、交わされたキスは、名無しの気持ちをこの上なく落ち着かせ、甘い余韻に浸らせる。
「――・・・・」
自分だけを見ていて欲しい・・・誰の身体にも触れないで欲しい。
それは心を手に入れ合っていない立場にして募らせた我儘だ。
言葉に出来なかったそれを喉の奥、果ては胸の奥へと閉じ込めながら、名無しはナッシュの腕の中で力尽き、再び目を閉じた。
真実を濁すだけだったナッシュは、そんな彼女を抱き寄せ、薄らと口角を上げ微笑むだけだった。
rain of sensuality