第13章 貴方に有難うの言葉を…(完)
そして、私は総悟に手を引かれながら
教室に向かって歩いている。
「……」
その間、総悟は何も言わず
無言のまま私の手を優しく掴んで
前だけを見て歩いていた。
(もしかして、総悟は助けに来てくれたのかな…?)
そんなことを思っていると…
「…!」
私の手を掴んでいる総悟の手に
少し力が込められて、
私は前を向いてる総悟を見る。
すると、
チラリと見えた総悟の横顔が曇っていた。
(…もしかして、"早く助けに行かなかったこと"を気にしてたりするのかな…?)
けど、
私は総悟が来てくれたおかげで
怪我をしなかった…
凄くタイミングよく来てくれたおかげで。
だからーー…