第13章 貴方に有難うの言葉を…(完)
それでもやっぱり総悟と離れる場所や時間などはある訳で…
そう、例えば…
<あら、偶然ね?>
《ホント、偶然ね〜? タイミングよく貴女がトイレに来るなんて(笑)》
「……!」
トイレなんかは総悟と一緒に、
というわけにはいかないもんだから…。
…総悟じゃなくて神楽ちゃんとかに付き合ってもらえば良かったかも…。
…今更、そんな事を思っても手遅れだけど…
(どうしよう…)
<最近、沖田くんが貴女にベッタリなもんだから手が出せなくてつまらなかったのよね〜>
《そうそう。だから〜今日はたっぷり付き合ってもらうわよ?》
そう呟きながら私に近づいて来る女子達。
「……!」
いやだ…
このままじゃ、私…
また、傷つけられちゃうーー…。
総悟が悲しんじゃう…
総悟を悲しませることになる…
そんなの、嫌だよーー…。
(誰か、助けてーー…)
そう心で叫び目を瞑った。
そんな私の耳に聞き慣れた声が届いた。
その声がしたほうに振り返ると、
そこには…