第20章 悪戯には程遠い【刀剣 一期一振】
開けたのは今剣と愛染だ。
「あわたぐちのみなさんばかりずるいです」
「そうだぞ、オレ達だって‼」
こちらの状況とは裏腹に、必死になって、なんとも可愛い抗議をしてくる二人。
「まぁまぁ、落ち着けよ。あれ?一兄?大将と何してんだ?」
どうやら薬研も一緒だったらしい。
バッと、私から身体を離す一期。
けしかけたのは私と言えど、
この状況は、体勢は、非常にまずい。
主に不貞を働こうとしていると、他の刀達に詰め寄られても、なんら不思議ではない状況だ。
ましてや弟に見られるなんて…。
「なんでもないんだよ」
薬研の問いかけにそう答えた彼は、
「失礼しました」と足早に出ていってしまった。