第15章 最大の仲直り【krk 緑間真太郎】
ポロリと涙が零れそうになる。
でも真太郎は、そんなのお構い無しに私の腕を掴んで、「行くぞ」と引っ張った。
その平静な態度が、私の怒りや哀しみや悔しさのボルテージを上げる。
胸のつかえを膨らませる。
「な…んで?なんでよ…」
腕を掴む手を振り払えば、驚いたように目を見開く彼の顔。
「普段、バスケばっかでちっとも構ってくれないくせに‼今日に限ってなんなの?私、何かした?なんで、真太郎に監視されなきゃいけないの?なんで、そんなに信用されてないの?ずっと待ってるのは私の方なのに‼」
叫んで、教室を飛び出した。
「待つのだよ。結依」
呼び止められたけど、気にしない。
廊下を走って、走って、走って。
真太郎が本気で追いかけてくれば、私なんかすぐに捕まるはずだけど、捕まらないとゆうことは、そうゆう事だ。
言葉で引き留めはするけれど、言うことを聞かない奴を追いかけはしないということだ。
結局、真太郎にとって私はその程度なのだ。
階段をかけ降りて、角を曲がって、中庭に出た。