rain of insult 【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of insult
「おまえ・・・まだ自分が純情な女だと思ってないだろうな?」
「!・・・・え・・、・・・ッあ・・、待っ・・・」
「言った筈だ・・・すぐに抱いてやるってな。・・・ほうら、おまえの好きなこれがまたおっ勃ってるぜ、嬉しいだろう?」
「ッ・・・・ナッ・・!んん・・・」
「ん・・・、おまえが動け・・激しくだ・・」
「・・・―――ッ」
密室の中、壁際で交わした初めてのキス。
嫌がらなければならないところで無意識に舌を絡ませた。
赤い顔をして、自分はそんなんじゃないと拒もうとすればするほど下着が濡れゆくのが分かって、ナッシュはなんて女を引っかけたものだと、嘲笑を吐き零すだけだった。
その場に脱ぎ捨てられたジャケットに、釦を外したブラウスは肩が肌蹴ている。
ちらりと目を開け一瞬見えた、首筋から左腕にかけ彫られた模様に色気を感じ、拒絶しなければいけないという感情が完全に名無しの中から消え失せる。
こんな出会いでも、抱かれた後、抱擁を止められずに絶えず腕を伸ばし続けた。
終われば乱暴に突き放されるだろう・・・そう思った矢先、ナッシュは名無しをぎゅっと抱き締め返すと、独占しようとするべく、彼女の首筋に赤く跡を付けた。
行為が終わり、窮屈な身体への束縛が放たれて直後。
どうしようもなく最低な女だと、事後に初めて少しの涙を見せた名無しは、それでもナッシュが印を残した瞬間には既に、彼の所有物になることを自ら望んでいた。
彼から与えられた快楽は、今まで誰からも施されることのなかった、至極多幸の喜悦だったのだ。
その味なしでは生きてゆけない、身体がもう耐えられないと、たった一度犯されたことで生じた、終わりのない甘美な病を。
「名無し」
「ッ・・―――」
「ああ・・・どうしようもねえな・・おまえは最低で・・・最高だ・・・」
もう何度目の逢瀬だろう。
太ましい肉が名無しを突き、凌辱を極める。
ナッシュは、自らの腹上で息絶え絶えに咽び喘ぐ名無しの頭をそっと撫でると、低い声音で、彼なりの褒め言葉を吐き捨てた。
囁かれたそれは、またたっぷりと気が狂うまで犯してやる、と・・・――彼女にとっては、褒美でしかない言葉だった。
rain of insult