第2章 暴走×逃走
とにかく、たった一つの出口へ歩を進める。昔から、じっとしてちゃなにも始まらないとよく言ったものだ。
セレナ
「それにしても、じめっとしてて、わたしここで何してたんだろ…?早くこんなところから出ないと…」
2つの扉に出会う。その間にはスピーカーがあった。
間も無くしてそこから音声が流れる。
謎の男(リッポー)
「ひとつ、試練に挑戦してもらう前に聴く。お前は、さっきあそこで何した」
セレナ
「試練??わたし、わからないの!どうしてこんな…あ!
もしかしてあんた、わたしをここに連れ込んだわね!!早く出してよ!ハンター試験中なのこっちは!落ちちゃったらどうしてくれんのよ!!」
謎の男(リッポー)
「しらばっくれんな!これもハンター試験の一貫だ!答えろ、お前はさっきの部屋で何をしていた!!」
セレナ
「これも、ハンター試験…?だめだ…思い出せない……」
さっきから頭の奥でずっと靄がかった感じがする。
何をした?わからない。
謎の男(リッポー)
「もういい。試練を続行する」
セレナ
「ちょっとまって!試練ってなに!?わたしなに受けさせられてんの!?!?」
謎の男(リッポー)
「おい、いい加減にしないと……おまえ、本当に何があった?」
セレナ
「だからわかんないんだってば!!気づいたらここにいて…」
謎の男(リッポー)
「一時的な記憶喪失か……刺激が強すぎたか。まあいい、では、やり方を変えよう。お前の回答次第では、階下にたどり着く道を教えてやろう。」
息を呑む。
何か難しい質問でもされるのだろうか。
よくわからん数字の羅列とか答えられそうにないし、かといって『俺の好きなタイプはなーんだ』とか聞かれてもわからないし…。いやどうだっていいし。いやいやそもそも、相手が答えを変える可能性だってあるわけで……。
謎の男(リッポー)
「もんだいです。ここから先、扉はいくつあるでしょう」
セレナ
「はぁ?!」
謎の男(リッポー)
「10秒以内にその場で答えろ」
いーち、にーい、とその男はカウントをはじめる。
この男が言う扉というのは、多分今この目の前にあるこれのことだろう。
うーんうーんと唸る。その間にもカウントは7までに達していた。
セレナ
「はっ… わかった、こたえはゼロよ!」