• テキストサイズ

【彩雲国物語】彩華。

第11章 才華。


 「蒼姫の熱が下がらない?」
 その知らせを聞いたのは今さっき。
 と、同時に千代と戩華が帰ったと知らせが届き頭を抱えた。
 遠くから聞こえた怒鳴り声。
 走ってくる足音は確かに、そう。
 千代のものだ。
 「栗花落様、お待たせ致しました。あの、戩華を少し見ていてもらえますか?」
 帰宅早々そうきたか。
 「そ、それは⋯」
 「龍蓮が居たら、部屋に呼んでください。」
 「千代、戩華は─⋯」
 「珠翠、急いで下さい!」
 頭を下げて立ち去る。上着を脱ぎ捨て、掛けていくのを見てよっぽどなのだと。
 暫くして戩華が追いつくと、じっと見られため息をついていた。
 「今回は君の自業自得だと思うけどね。さ、いくよ。千代に戩華を預かるよう言われてるからね」
 「⋯⋯あとはなんて?」
 「龍蓮が居たら部屋にってぐらいかな」
 「⋯⋯⋯⋯何を考えているんだ千代は」
 「君に言われたくないと思うけどね」
 
 
 
/ 189ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp