第10章 彩稼。
「あぁ、戩華。お水ちゃんと飲んでください。あと、寝る時は窓を開けるなら少しにしてくださいね」
「⋯⋯」
「私の寝所に入ってこないでください、熱中症になっては困ります」
「水を飲めばなる事は無いだろう」
「⋯最近寝付きが悪いでしょう」
「それはお前がすぐに寝るからだろう」
流石の千代も連日の鬱陶しい暑さと怒りと、先程の戩華の態度で怒りが爆発する。
がたりと立ち上がり、すぐに戻ります散歩して来ますから。
と言って家を飛び出ていた。
戩華も初めてみた千代の反応に大笑いする。
正解だったなら。
今迄とは違う妃に戩華はたまらなく愛おしいと笑をこぼす。
「⋯さて、仕事でもするか」
戩華はのろのろと部屋に戻る。
怒った妃は恐らく帰ってきた時には元通りであろうと思いながら、机に向かった。