第1章 彩華。
目が覚めると沢山の事が進み決められ驚く。頷き聞けば瑠花は酷く怒鳴り散らし説明をしてくれた。
「それは構いませんが⋯」
私が戩華を認識出来ないなんて予想外だった。唸る私に瑠花は不安げな顔をしていた。羽羽様はそんな瑠花をのぞき込んでいた。
苦笑いを浮かべる。
「心配無いですよ、瑠花様。戩華王の気配はすぐにわかります。例え故意に消していたとしても」
くすくす笑えば深いため息をついていた。
そっと瑠花を抱き寄せる。
「貴方の憂いを私は祓い続けましょう。私の姫君様」
「なっ⋯説明を聞いてなかったのか!?お主は⋯」
「えぇ、人ではなくなった、この世に縛られた、好都合ではありませんか。瑠花様私は貴方の元に貴方の一声で戻り護りましょう、たとえ、私の今際の時でも⋯捧げましょう私の全てを愛おしい貴方様に」
羽羽は目を丸くした。
部屋の前に立つ王、瑠花の前に頭を垂れる千代、間違えを犯したかのように涙を流し言葉を飲み込む瑠花。
なんと言う状況だ。
「天命は変わらぬ、千代、いや、変えてはならぬ」
瑠花の重々しい言葉に千代は微笑む。
「ならば、天命さえも持たぬ私が歪ませましょう、それは可能なのでしょう?羽羽様」