第1章 彩華。
突然、親戚から「今年の資蔭制にとある奴を入れる、お前と妾と羽羽でその後見人となる」良いな詳しくは羽羽に聞けと言い立ち去った。慌てて羽羽殿の屋敷に行けば驚く。
あの王がじっと見ている小娘。
「千代、なの、か?」
王は目を見開き眉間を寄せた。
「お前は知っているのかこの娘を」
「⋯それは⋯産まれながら貴方の官吏でしょう」
王のためにならどんな事でも容易にする。賢く馬鹿でこの国に二人といない。
「は?瑠花も同じ様な事を言っていたな」
「⋯私はあなたに親切にする義理はないので、では」
千代の事だろう。
ならば、後見人も悪くない。
あの小娘は人を変える力があるのだから。
「俺の⋯官吏?」
小さな小娘はすやすや眠る。
外などお構い無しだ。
早く目覚めろと思う反面この時間が愛おしく思った。
どこか懐かしく愛おしい君。