第2章 君に咲く痕【家康・裏あり】
だけど…
顔を真っ赤にし、涙をこらえながら花蓮は続く言葉を飲み込んでしまったせいで、勿論家康に真相は伝わるはずもなく。
(…政宗さんと?)
思わず、花蓮の腕を掴む手に力が入る。
(なに、思い出して赤面してるの…)
心の底が、静かにザワつくのがわかる。
(恋とか愛とか嫉妬とか、そんなのに振り回される俺じゃないけど…)
でも…
政宗さん、花蓮に何してくれてるんだよ――
「……ケダモノ」
怒りを孕んだ低い声が、家康の口から洩れる。
そんな彼の様子に、いつもと違う様子を察した花蓮が顔をあげた。
「いえ…やす?」
呼びかけには答えず視線を合わせた家康は、いつも通りの無表情に見えるが、どこか険しい雰囲気を漂わせていて
(え…怒ってるの!?)
(でも…)
「ケ、ケダモノだなんて酷いよ、やんちゃだけど可愛いじゃない(獣なのは間違いないけど!)」
と、自分が最後まで家康に伝えていないことを忘れて弁明する。
「…あんた、正気?」
(え?家康、もっと怒ってる??)
「い、いつも、じゃれあってるだけだもん...」
普段とは違う家康の気迫に押されて、思わず目をそらした。
「へぇ」
さっきよりもっと低い声で呟き、花蓮を見つめる家康がわずかに目を細めるのがわかった。
と、同時に…