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的場一門の妖姫

第3章 祓い屋の会合


「会合?」
「ええ。そろそろも会合に連れていっても良い頃でしょうから」
「ふーん」
しかし今日は高校の入学式のはず。何時から開始になるのか知らないが、(恐らく夜だろう)できれば行きたくない。
「七瀬は?許可とったの?」
「…まぁ、なんとかなるでしょう」
これは絶対に許可取ってねぇな。あの人怒ると怖いのに。
「怒られたらどうすんの?私は式だし主の命令は絶対だから断れないし…、七瀬のお叱り受けるのだけは御免被りたいんだけど」
前に妖退治が嫌になって逃げ出した時にお叱り受けたけどあれは怖かった。真顔と目の笑ってない薄ら笑いが不気味すぎて軽くトラウマになりかけた。
「大丈夫です。多分」
おい多分て何だ、多分て。
「開始予定時刻は21時ですので入学式が終わり次第直帰してください。色々と準備があるのでできる限り早めに」
「お、おう…」
「それから」
的場はの口元に人差し指を寄せ、顔を近づけ…
「その口調。もっと女性らしくなさい。前から注意しているでしょう?」
「余計なお世話だっつーの」
「ならばせめて敬語を使えるようにしなさい。これは命令です」
(この野郎…)
命令と言われては従わなくてはならない。…まぁ、どちらにしろ今後の為に敬語は覚える必要があるだろうと思い直し、渋々努力することにした。



長い長い校長の話が漸く終わり、それぞれの教室へと移動する。最初は出席番号の順に並ぶらしく、私は窓際の列の後ろから2番目の席だった。
担任の話が終わり生徒が順番に簡単な自己紹介をしていく。
暫くして隣の席の人の順番がきた。隣の席のやつくらいは名前だけでも覚えておいてやろう。そう思い耳を傾ける。
「夏目貴志です。よろしくお願いします」
夏目…?
夏目…、何処かで聞いた事のある気がする名前。確か、だいぶ前に…森の妖が話していたような…。
悩んでいる間に自分の番になっていたらしい。
「的場ー?」
「へ!?あ、え、えっと…ま、的場です…。名前覚えるの苦手なんでよろしく…」
ぎこちなくなってしまった…。
…ん?ちょっと待て。今、担任は的場って言ってなかったか?私の姓はなのに。
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