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的場一門の妖姫

第20章 出会いの記憶


一方、的場邸では風に乗って届けられた名取家特有の紙を用いた式符での一報を受けた。
くしゃりと式符を握りつぶす的場の表情からは何も読み取れない。
「…」
そうつぶやく視線の先には誰もいない正門。そして一瞬、キラリと何かが光った。
光の元へ行くと、そこにはへ贈ったはずの指輪が落ちていた。
的場はそれをしっかり握り締め、一度目を閉じた。
彼女が何故名取の所へ行くことになったのかは分からない。しかし、彼も彼でなんの理由もなしにを連れて行ったりもしないだろう。必ず理由があるはず。
今はそっとしておくべきと判断し、的場は邸宅の中へ戻っていった。


"的場静司へ
本人の希望で妖姫を一時的に預からせてもらうことになった。数日のうちにはそちらへ帰ると思う。どうか探さないでやってくれ。"
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