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的場一門の妖姫

第6章 想うキモチ


信用していないわけじゃない。
頼りたい気持ちも確かにある。
けれど、このよく分からない気持ちがそれを不確かなものに感じさせる。

校舎を出ると辺りは既に薄暗くなっていることに気づいた。
「もうこんなに時間が経ってたのか」
「ええ、ですから帰りましょう。七瀬達が待っています」
的場の温もりと程よい揺れに、いつの間にかは再び微睡み始める。

「?」
静かになったに気づき、彼女を見遣ると静かな寝息をたてていた。
「…貴女が無事で安心しました」
腕の中で眠るを見詰めながら小さく呟く。
3ヶ月前、会合であんなことを言ったにも関わらずこれまで特に大きな変化は無く。以前と変わらぬ距離感でいる。
しかし、それは的場がを大切に想っているからこその結果であり、を想っていない訳では無いのだ。
(私も腹を括らないといけませんね…)
この腕の中で眠る少女を護るために。

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