第6章 想うキモチ
あれから3ヶ月が経った。
あれ、というのは勿論会合のこと。
(主の奴…婚約者にするとか言ってたクセに特にこれといってなんの変化もない…)
どこか期待している自分に、別に何か大きな変化を望んでいるわけではない、と言い聞かせる。しかし、頭の中ではその事がぐるぐると回る。
(だって3ヶ月だぞ…?あんな大見得切った割に今まで通りでしかない。…もしかして主にはその気は無いとか?)
その考えに行き着けば、今度は胸がまたチクリと痛む。
「…何考えてんだろ。私らしくもない」
そもそも、私らしさとはどんなものなのだろう。
――――分からない
(…空っぽ、なんだな。きっと)
そんなことを考えながら廊下を歩いていると、突如感じた浮遊感。そして…
「的場さん危ない!!」
「え?」
落下する感覚。天井が視界に入り、漸く理解した。
嗚呼、どうやら不注意で足を滑らせたみたいだ。
自分でも驚くほど冷静だった。そして直後、の体は階段を転げ落ち、生徒達の悲鳴を遠くに聞きながら痛みとともに意識を闇へと手放した。