第8章 異変と喧嘩、勝利の意味
「一人で勝っても、意味なんかないだろ」
「!!」
舞花は、ハッとした
「『キセキの世代』倒すって言ってたのに、彼らと同じ考えで、どうすんだ」
普段、同い年でも敬語を使う黒子が、敬語を使わず、真っ直ぐ火神を見つめる
「…………」
舞花は、そんな黒子を見て、思い出していた
昔の事、
キセキの世代達の事、
"昔の"自分の事―――……
「今の、お互いを信頼出来ない状態で、仮に秀徳を倒してたとしても、きっと誰も嬉しいないです」
それでも、納得がいかない火神は、黒子を殴り返した
「甘っちょろい事、言ってんなよ!そんなん、勝てなきゃ、ただのキレイ事だろーが!!」
いまだ苛立ちを隠せない火神に、黒子は静かに言い放つ
「…じゃあ『勝利』ってなんですか」