第10章 3秒の勝敗と雨の電話
「…強いです。…ただあの人のバスケは…、好きじゃないです」
「…………」
黒子は静か、肯定した
だが、黒子の発する言葉は、火神に対してではなく、青峰に向けての言葉だった
その光景を黄瀬は、黙って見ていた
「伊達に、帝光のエースを名乗ってた訳じゃないからね」
その力は、誰しもが認めるもので、青峰を止められる者は、極めて少ない
「…フン。まぁ、せいぜい頑張るのだよ」
「…緑間君!」
緑間が帰ろうと、扉まで行こうとしたら、黒子に声をかけられた
「また…、やりましょう」
「……当たり前だ。次は勝つ!」
微笑む黒子に、背を向ける緑間
どんな表情、どんな思いで言ったのだろう
緑間は扉を開け、外に出て行った