第10章 3秒の勝敗と雨の電話
「(次は決勝か…)」
控え室に戻る最中、舞花は実感した
「(…って事は)」
舞花は、目線を黒子にやる
東京にいるキセキの世代は、3人
黒子と緑間
そして……
「……舞花ちゃん?」
考え込んでいた舞花は、カントクに声をかけられた事で、驚いた
「大丈夫?体調とか悪くなった?」
「あ、いえ、大丈夫ですよ。ちょっとお手洗い行って来ますね!」
舞花はそう言うと、手洗いに向かった
「あれ、君は確か…」
控え室に戻る途中、不意に声をかけられた
「高尾君、だっけ……?」
緑間と同じ1年で、黒子のミスディレクションを見抜く事が出来たレギュラー、高尾がいた
「そうそう、高尾和成だよ。それは、そうと真ちゃん見なかった?」
どうやら、高尾は緑間を捜しているらしい
「真太郎?ううん、見てないよ」
「そっか」
うーんと、悩んでいる高尾
しかし、何か思いついたらしく、舞花の顔を見た
「そうだ!ねえねえ、コレ、真ちゃんに渡してくれない?」
そう言って、舞花に秀徳のジャージを渡す
「え、ちょっと…!?」
高尾は、ジャージを渡すと、よろしくと言い、その場を去って言った