第9章 新披露技と雨と旧友
「黒子…。悔しいけど、カントクの言う通りだわ」
最後の1回を跳んだ火神は、脚に限界がきていた
「あんまり、言いたかねぇけど…、あとは頼む…」
黒子の肩を叩く
「…はい」
会場の外は、今にも降り出しそうな曇り空が、会場を見ていた
―――――………
此処は、別の高校の体育館
「あー…、ダリー…」
そこには、ステージで寝転がり、右手の人差し指だけで回す、気怠そうな男がいた
「青峰君!!」
そこに来たのは、ピンク色でロングヘアーの女の子が、入って来る
「ちょっと!また仮病で試合休んだの!?」
「だぁあって、どうせ勝つよー。めんどくせー」
「もう!」
どうやら、青峰と呼ばれる男は、試合をサボったらしい
「あと今、テツ君と白ちゃんのとこも、ミドリンと試合してるらしーねっ!」
「へーほー」
どうやら、2人は海常の黄瀬、秀徳の緑間といったように、舞花や黒子を知る人物のようだ
「まーやっぱ~~、テツ君達かな。勝つの!」
女の子は、持っていた棒つきアイスをかじる
「なんたって、テツ君は私が惚れた男だしね!」
彼女の名前は、桃井さつき
彼女も帝光中出身で、バスケ部のマネージャーをしていた
そして、彼女と会話している男、青峰
桃井とは、幼馴染みである
彼もまた、帝光中出身のバスケ部に所属していた
そして、キセキの世代と呼ばれた1人でもあり―――……