第9章 新披露技と雨と旧友
しかし、ホーク・アイを持つ高尾からは、黒子のミスディレクションは効かない
「いや…、多分厳密には全く効かない訳じゃないぞ」
薄々気付いていた伊月は、高尾の持つホーク・アイの弱点
ホーク・アイは、コート全体が見える程、視野が広い
だから、意識を他にそらしても、黒子を視界にとらえ続ける事が出来る
それを黒子は、意識を自分からそらす前に、逆の誘導(ミスディレクション)を入れた
つまり、黒子は自分にひきつけるようにしたのだ
前半パスカットされても、出続けたのは、自分の印象をより濃くする為、
その為、今は
「狭まった視野なら、今度はそらせる」
ホーク・アイを使う高尾は、一瞬で黒子を見失い、抜かされてしまった
しかし、そこは臨機応変に火神の位置を見つけ、ボールと火神の間に入ろうと考える
「今度は、取られません。今までは来たパスの向きを変えるだけでしたが、
このパスは、加速する…!」