第9章 新披露技と雨と旧友
「確かに、パスが火神君だけでは、最後までもちません。やはり、高尾君のマークを外して、通常のパスも必要です」
黒子がそう言うと、伊月は
「けど、もういけんじゃね?"俺の目も、つられそうだし"」
「(大坪君はダブルチーム…。あとは緑間君か……)」
カントクは何か考え、火神にこう言った
「火神君!!あと何回"跳べる"?」
「跳ぶ…?」
「緑間を止めた、あの超跳躍(スーパージャンプ)の事か?」
「天性のバネを極限まで使う事で、消耗が急激になる。それに、身体の出来てない火神君が使えるのは、一試合だけでも限られてくるって事ですね」
怪我や選手のコンディションを見て来た舞花にも、カントクの推測している事が分かる
カントクは、コクンと頷く
「本人も気付いているはずよ。でしょ?」
「そんなん…、跳べるぜです。何回でも…」
「あのね…、今は強がりとか、いーから!」
強がる火神に、溜め息を吐き、脚の様子を見て、計算する
「よくて……、2回ね」
2回跳んだら、後はコートに立てるだけで、精一杯だろうと推測する
しかし、2回でどのように緑間を止めるのか
「1回は勝負所にとっておいて、もう1回は…」