第2章 秘める内
俺は二宮和也が好き。
仕事仲間、幼馴染、友達…
全てが当てはまり、そして全てが違うとも言える、大切な存在。ニノにとっても、絶対的にそうだと言い切れるよ。
だけど俺は、そこに『片想いの相手』っていうのが付属してる。
ニノのどこが好きって、
ハンバーグみたいな可愛い手も。
ピュンピュン跳ねる癖っ毛も。
細くて華奢な体も。
白くてスベスベの肌も。
実は動物が苦手なところも。
誰にでも人懐っこいところも。
難解なモノの考え方も。
メンバーが大好きなところも。
本当に何もかも、全てが好き。
好きで好きで、苦しいなんて、お前が聞いたら笑っちゃいそうだけど。
「うーん…大野さんはね、本当に優しいヒトなんすよ。何でも受け止めてくれるっていうか…」
そんなことないよ。
俺はお前の熱愛報道が出るたび、嫉妬で頭がどうにかなりそう。
「すごく、多才な人ですよね。何やっても、できちゃいますよね。それでいて彼、全く勝負事なんかに興味がないですからね笑」
お前だって、競争なんかに興味ないだろ?
お前が興味ないことに拘ったって、意味なんかないじゃんか。
「大野さんですか?
ええ、そりゃもう好きですよ…大好きです!笑」
そんな簡単に、言わないでよ。
冗談だってわかってる。わかってても…
虚しくて、どうしようもなくて…胸が千切れそうになるから。