第3章 100年先も
とてつもなく冷たく突き放された。
…のは確実に俺のはずなのに、理不尽にもニノは俺よりも悲しそうに笑った。
「……いつまで続けんの?」
「あの人が飽きるまで。」
即答。
苦笑いするしかない。俺が止めたところで、ニノは絶対にまた会いにいくのだから。
「……大野さんが好きなのは、」
「知ってます。」
その先は言わせないとばかりに俺の言葉を遮った。笑みを浮かべるその瞳の奥はちっとも笑ってなんかいない。
…だから、俺は諦められない。
好きなやつを救いたいって思うのは、当たり前だ。
…2人の関係は、いつからかは分からないけど、とにかく4年とちょっとよりも前から続いてる。
「…俺にしろよ。」
このセリフも、何度目だろう。数えときゃよかったな。
「…ほんと、潤くんだったらよかったのにな。」
そしてこのセリフには必ずこのセリフが返ってくる。
決まって次には、
「…じゃ、ごちそうさまです。」
ニノは帰る。
多分、これ以上いると俺に流されてしまうから。
そしてそれは、俺にとってすごく残酷なことだとわかっているから。
…身をもって。
自分も支えきれないくせに、他人を支えて、ボロボロになっても誰にも決してよりかかりはしない。
気高くて、優しくて、…儚い。
そんなお前を好きになるなって、諦めろ、なんて、あと100年経ったって無理だ。