第3章 100年先も
「うっわぁ…すんごい執念ですね。」
へぇ。と大して驚きもせずにニヤリと口角をあげた。
「そ。俺が初めて告白した日から、1483日目。」
「…てことは、4年とちょっと、ですね。
てか、数えてたの?おぉコワ…笑」
わざとらしく身震いすると、もういらなくなったらしい、4分の1残された直方体の冷奴が差し出された。
「片想い…てか、今も片想いだけど、告白する前もいれたら、もう10年以上おれ、お前が好きなんだけど。」
「えぇ。存じ上げてますよ?」
俺が黙って食いかけのそれに箸を伸ばすのをニコニコと頬杖をつきながら見守る。
初めて告白したとき、俺はそれなりっていうか、心臓爆発しそうなくらい緊張してたのに、返事は
知ってますけど
ほんと、衝撃的だったなぁ…
あのときは絶望的な気持ちになって、ニノ曰く真っ青になってたらしい。
今となっては懐かしい思い出話で、クスッと笑いさえ浮かびそうだけど。
あれから四年。
ほんと、変わんねぇな。
お前も。
俺も。
この関係も。
「でも、ごめんね?
あと何年、何十年俺のことを想ってくれても、俺はそれに応えることはないよ。
これから先、一生。」