• テキストサイズ

AMNESIA ~SWEET~

第6章 俺だけの君でいてもらえるように【ウキョウ】


「ウキョウさん、お誕生日おめでとうございます!」

「ありがとう、君にお祝いされると凄く嬉しいな」


君といると、心から笑えるんだ。


これまで、自分の誕生日を素直に喜べた日はあっただろうか。

悪夢のような運命に翻弄され、どう頑張っても君とは一緒にいられなかった日々。

それからやっと解放されて。

大切で大好きな君と、誕生日に一緒にいられて、そしてこんな風に祝ってもらえるなんて。


目の前にある誕生日ケーキは、の手作り。

生クリームが綺麗に色付けされていて、フルーツも豪勢で。

君は「初めて作ったから不格好なんだけど」と恥ずかしそうにしていたけど、とても初めてとは思えない出来栄え。

流石、器用だね。


「ケーキ、食べてもいい?」

「うん。……どうかな?」

「美味しい! 今まで食べたケーキの中で一番美味しいよ!」

「それは大袈裟だよー、でもありがとう!」


安堵したような笑顔。

君は優しいから、口に合うかなとか、美味しく食べられるかなとか、きっと色々心配してくれてたんだよね。


「大袈裟なんかじゃないよ。美味しいんだ。も食べよう?」

「じゃあ……いただきます。美味しい~!」

「ね? ……作ってくれて、本当にありがとう」

「ううん、喜んでもらえてよかったよ」


微笑み合って、時折食べさせあいっこをしながら、結局ケーキは二人で全部食べた。
/ 28ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp