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【HQ東】君の相手をこの俺に

第7章 君の相手をこの俺に


と一息つく四人。
「じゃっ、俺らも先教室行くから」
「「えっ?!」」
「じゃーな」
ピシャリと閉められた扉のあとは沈黙だけが残り
「あ、あの」
「な、何っ?!」
そんなに驚かなくてもと言った顔で名に見られて謝ると
「こっちこそごめん。あんなタイミングで返事返して」
と名
「いや、うん、まぁ驚いたけど、嬉しかったよ」
照れる東峰につられて照れる名。
「改めて宜しくお願いします」
「こちらこそ、俺にしてくれてありがとう」
それで?それ以降のその後の進展はないのか?
「・・・・」
「・・・・」
お互い何を言いたいか分かっている沈黙が続く。けれどもその沈黙が答えなのかもしれないと思い、耐えきれなくなった東峰が
「当日転んだらごめんな」
と話を茶化した。もともと告白はしないつもりだったのだから相手役になれただけでも万々歳だろう。
「転ぶとか忘れられないショーになるね」
と笑う名に、それならそれもいいなと思ってしまう自分。その後、名と二人きりでまたジャケットを着せられ調整をした。目の前に立つ名は真剣そのもので、けれども上から見えるシャツから覗く肌や、髪の香り、ジャケットをつまむ時の触れられそうで触れられないもどかしさ、色々が重なり堪らなくなりつつ、緊張しっぱなしの時間が終る。
「東峰明日空いてる?できれば部活前に」
「いいよ。じゃぁ、ちょっと寄ってくわ」
「ごめんね部活あるのに、放課後だと時間ないからさ」
「おぅ」
そして、その日の帰り、名は先に帰ったのでいつものメンバーでの帰宅。
「良かったな旭、相手役」
と澤村に祝われる。
「名の奴受けるなら先伸ばしにしてんなよって感じだよなー。ホント旭達がくっついてくれて良かったよー!」
との菅原の発言に
「付き合ってはないぞー」
と返せば驚いた顔をする二人。
「え?!なんで?!もうそこまで来たらあとは付き合うだけじゃん」
「そうっすよ旭さん!男はこうグッと!ガッと行かないと!」
「つーか旭さん、あのショーに出てカップルじゃないとか説明つかないっすよ!」
と後輩二人も会話に入ってきて
「どぅどぅ」
と澤村に落ち着かされる三人。
「まぁ、旭達の事情があるんだろうけどさ。確かに部活を第一にして欲しいけど、どっちも高校最後だぞ」
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