第7章 君の相手をこの俺に
と真剣な表情をしている東峰に、もっときちんと返事をしてあげれば良かったと思いつつ、その表情にドキリとしていた。
「いいんだな」
そう言う東峰に
「い、良いです!」
と返すと差し出した手が握り返された。その反応に東峰を見れば嬉しそうにする東峰の顔。
「てか、東峰が良いの」
「いや、そこまで言わなくても」
と照れて手を離す東峰に
「そんな事ない!」
と捕まえにいく名。照れまくりの東峰と強気な名。しかし、お気づきだろうか
「ここ廊下だから!」
その菅原の言葉を合図に家庭科室のドアが開き
「さぁ、入った入った」
と被服専攻の女子達か二人を招き入れる。そして、東峰は上着の学ランを脱がされ、名のジャケットを着せられ、
「下、学ランでも色合うんじゃない?」
「どうする?ウエストつまむ?」
「てか、やっぱ下が制服だとダメじゃん?」
と色々な意見が名と飛び交う。
「凄いな名」
とすっかり自分が相手役に決まり浮かれている東峰は
「東峰動くなっ!」
と周りに注意を受ける。
「名!靴はいて東峰の横!」
写真を取られそれを名が確認しながらワイワイと会議が開かれ、その間に澤村達が昼食を取っていると
「東峰!」
と生徒の一人が東峰を呼ぶ
「はいっ!」
「黒い細身のパンツある!?ジーンズでも良い!」
「細身はないけどジーンズならあります!」
「制服とどっちが細い?」
とまた別の生徒が質問してくる
「ジーンズです!」
するとまた女子達で作戦会議
「どうする?東峰に黒いパンツ買ってもらう?」
「今からはさすがに縫えないっしょ」
「色味合わないならいっそジーパンと合わせた方が良くない?あのジャケット私服でも合いそうな形だし」
「ドレスもったいなーい」
「デニムだとしても丈はあげるでしょ?」
「あげるでしょー」
「下がデニムならウエストはそのままが良いかも!」
「ってことでどう名?」
「丈詰めだけなら自分でできます!」
「よしっ!じゃぁそう言う事で!」
話がまとまり、皆クラスへ戻る。
「東峰良かったねー」
「名もねー」
「頼んだよ東峰」
「当日はしっかりね」
「「「じゃーねー」」」
その様子に
「女子って凄いって思う時がある」
「あ、それ俺も今思った」
「なんか緊張したわ」
「お礼言わないと」