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【HQ東】君の相手をこの俺に

第7章 君の相手をこの俺に


と東峰がきけば名はじっと東峰を見つめ、ため息一つつく。その反応にさらにおろおろする東峰。結局、理由は分からずじまいで部活でも名はどうしたんだと話題になるがそれも分からず、その日の放課後、家庭科室は開いていたものの
「名今日帰ったよ」
との事。けれども少し不思議に感じたのは被服専攻の女子達が三年トリオを見てにやついていた事。
「あ、東峰おはよー」
次の日の朝、クラスに行けばいつも通りに何かを作り、いつもの席で皆に挨拶をする名の姿に安心する。
「挨拶の前からそれぇ?」
と気づけば良かったと安心したせいから名の頭を撫でていた。
「あ。ごめん。つい」
さっと手を放し、手元を見る
「今度は何作ってんだ?」
「コサージュ。こっちが私の分で、こっちは相手の・・・」
「相手・・・」
お互いはっとした顔で見合せ
「相手、決まったのか」
「う、うん。」
「そうか、よ、良かったな」
そうしてまた名の頭を撫でて席につく。
(決まったのか)
と名を見ると被服専攻の女子達ときゃっきゃしていた。それは相手役の話の様で照れる名を見ながらまた凹んでしまう。
「相手決まったのか」
「でも旭には返事は来てないと」
「あぁ」
昼休み。珍しく名は
「今日は家庭科室!」
と言って屋上には来ず、相手役が決まったことを澤村達に伝えた。
「旭はそれでいいの!?」
「まぁ、名が決めた事だしな」
「てか名も名じゃね?旭が言ったのに酷いよなー」
「なんか訳があんだろ。ちゃんと聞いとけよ」
「えー。なんで断ったんですか?って?」
「聞きにくいわな」
と苦笑する澤村。そこに東峰の携帯に連絡が入る。
「名が放課後家庭科室来いって」
「お断りの返事タイム!」
「スガやめてやれ・・・」
気が重そうに教室へ帰る東峰は、部活中は切り替えがきちんとしていてへこたれることなく練習に臨んでいた。一方、
「早く言ってあげなよー」
「もう凹みまくってるじゃん」
「言う言う。」
「タイミング逃しまくりじゃん!」
「言うってー」
「早く着てもらわないとじゃん!」
「そーそー!」
と家庭科室ではメンズのトルソーにかかった黒いジャケットについて女子達が盛り上がっていた。
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