第2章 優先すべき事
昼休み、名がいきなり現れたかと思うと寸法を図らせてほしいとの事。しかも
「俺ぇ?!」
と菅原の寸法。
「別に良いけど、いざとなると恥ずかしいな」
と笑う菅原。
「けど苗は試験勉強大丈夫か?」
の澤村の一言で名の勉強不足っぷりがばれ、色々話し合った結果、澤村の「テストが終わってから!」との命で
「テスト期間後・・・・」
と昼食を終えてしょんぼりしながらクラスに帰る名に
「まぁ、テストは大事だからな」
と東峰。そんな東峰を横目に
「寸法あればテスト期間中に型紙引けるのに!」
「だからテスト明けなんだろー」
なだめる東峰、すると
「東峰ー」
と嘆くように東峰に抱きついた名。
(わわわわわ!!!!)
それに顔を真っ赤にしていると、
「わっ!ごめん!ついっ!!」
と名も焦りぎみな素振りを見せ、その後クスクスと笑って
「本当に、いじりがいがあるね東峰は」
と見上げられる。そんな名に呆れながら頭を撫でて教室へ。
(やっぱり良い体つき)
(やっぱり良いサイズ)
とお互いほんのりと残る互いの体温を感じながら授業に望んだ。
スガの寸法を知りたいって言うのは、つまりはきっとそう言う事なのだろう。相手役を頼みたい、そう言う事なのだろう。そうでなければ寸法なんて測らないだろ?
そう思いながら名を見ると居眠りをして眠り落ちた瞬間で
(あいつテスト大丈夫か?)
と内心笑ってしまった。案の定というか幸運と言うか、その授業が終ると名は直ぐ様俺の机にきて
「ノートを貸してください!」
と言ってきた。
「名ー、お前授業中一番前だってのに寝てたろ」
「ばれてる・・・」
申し訳なさそうにノートを借りて行く名に
「勉強。見てやろうか?」
「あ、東峰って勉強できるの・・・?」
「いやぁ、まぁ普通?」
「そ」
名の返事を聞く前に次の授業の先生が入ってきてしまい、再び席に戻る名。
(く、口ばしってしまった・・・)
授業中、名の返事ばかりが気になってHRが終わり皆が帰り出した頃。
「教えてください」
と名が泣きついてきた。