第2章 優先すべき事
「で、教わる訳になったと」
「そう」
「教える訳になったと」
「う、うん」
次の昼休み、照れる東峰とその横で東峰のノートを写す名。そして、東峰に詰めよっていた澤村と菅原
「「やるなぁ、旭」」
いやぁと照れる東峰を見て一緒に笑う名ののんきな事。
その日から練習後は坂ノ下商店で集合になり
「なんだ東峰、彼女か」
名を見て烏養がそうきくが
「同じクラスの苗さんです」
なぜか名の紹介を澤村がし、名が肯定も否定もせず挨拶をして男バレと勉強を始める様子を見て色々悟った烏養は
「勉強すんのは関心だが女の子が遅くまで残んなよー」
そう言って心の中で東峰にエールを送り仕事に戻った。
「この公式覚えないと今回は全く問題解けないって!あとここな。この問題の解き方だけでも覚えておけ」
「公式・・・。途中までなら」
「覚えないと解けないのっ!」
「だから途中までならっ!」
「途中じゃ解けねーから!!点もらえないから!馬鹿なの!?」
といった名と菅原とのやりとりを微笑ましく見守る東峰。
「てか旭!名の面倒は旭の役目だろ!?」
「いやぁ、俺も今大地に教えてもらってっから」
「お前らっ!!」
勉強中でも笑いがおこる四人。そんなこんなで公式を覚え、暗記をしていき、問題をだしあったりして過ぎていくそんなある日、
「お、苗。もう来たのか」
部活後体育館の戸をあけると階段の端で座っている名。
「あ、馬鹿でも名は田中じゃないから風邪ひくぞ!」
「それはどういう意味っすかスガさん!」
と菅原に突っ込まれた事に名が反論する間もなく、菅原の後ろで騒ぐ田中。言い合う菅原達を放って
「暑かったろ。先行っててなー」
東峰は名の頭を撫で、素直に先を行く名を見送って、部室に行けば
「羨ましいっす!旭さんっ!」
「さすが旭さんっ!!」
と興味津々の後輩達。いやいや違うからと照れつつも否定しながら着替えていると
「あの先輩、前に見送ってくれた先輩っすよね?」
「そーそー。」
「優しそうな人っすね!」
「潔子さんの美しさには劣るがな!」
「だな!龍!」