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【HQ東】君の相手をこの俺に

第2章 優先すべき事


そんな訳で、名の事を意識しまくりの東峰
(いや、好きって言っても、いや、まぁ、恋って突然って言うもんな。いやいや、けれど恋とか!暇ないって。)
「東峰?」
「はいぃぃ!何でもないです!」
「え?あ、それなら良いんだけどボーッとして大丈夫?」
気づけば教室に入っており、様子が違う東峰を心配する名。立っている東峰と座っている名、いつもより名が東峰を見上げる形になり、東峰はまた頬が熱くなるのが分かる。
(あぁ、俺名の事好きなんだな)
「驚かせてすまん」
と頭を撫でると、鈍い反応の名
(いや、だから軽々しく触っちゃダメだって!)
あぁ、もう本当に気になり出したら止まらなくなってきた。さっきみたく少し嫌がるところも可愛く思う。ドレスに隠れてしまうところも、教科の好き嫌いが分かる授業の気合いの入れかたも、ふとみせる笑顔も、寝起きの顔も、いつもの少し怖い雰囲気も、ましてや試合に差し入れ持って応援とかされたら···たら···。
(あぁ、もう。田中みたいになってる!)
気持ちを落ち着かせ、後ろから見える授業をきくその横顔もまたと思ってしまい、
(重症だわー)
と鼻で笑い、けれども自分にそんな余裕はないのでこの気持ちは卒業するまでは蓋をすることにした。
そんな百面相の東峰を前から伺い心配しつつ、背も高く、たっぱも良い東峰を見てモデルに良さそうだと染々思っていた名。東峰をモデルにと思っているのは他のメンズ服を作ってるメンバーもで、背のある男子はだいたい目をつけられていた。
(けど私、シャツ以外にメンズ作らないしな)
縫ったメンズシャツはあわよくば相手役にと思って作ったが、
(菅原なら入るけど、東峰じゃ入らないなー)
あー、こんなことなら大きめのサイズにしておけば良かった。自分の周りであんなに背のある男子は居ないため、菅原が一番高いのでもしもの時で合わせてしまった。
(こんなに仲良くなるとは思ってなかったー!!くそーー)
あぁ、もっと、去年から知り合いでいれたら良かったのに。そう思いながら授業が終わり、今日も今日とて居残るために家庭科室へ。
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