【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
学校が終わり、帰宅するとローカルニュースで白鳥沢が青城をストレートで下し、インターハイ出場を決めたと放送されていた。皆あんなに上手いのに、それでも勝てない白鳥沢ってどんなチームよ。そう思いながらテレビを消した。
岩ちゃんに連絡すべきだよね。昨日も一昨日も応援行ったし。試合どうだった?なんて聞けないし、残念だったね…は絶対違う。次の大会頑張ってね!ってのも時期が時期だし、今回のが引退試合だったのかもしれないし…。携帯に文字を入力しては消して、入力しては消しての繰り返し。試合で負けた時の悔しさは私もよく知ってる。あの時こうすれば、もっと練習してれば。後悔の念に駆られ、その場から動けなくなる。
「…よし。」
意を決し、通話ボタンを押した。数回鳴ったコールの後、電話口から岩ちゃんの声がした。
「岩ちゃん!試合お疲れ様!ランニング行こう!」
突然の申し出に驚いたような声を漏らす岩ちゃん。けど、丁度岩ちゃんも走りに行くつもりだったらしく、家まで岩ちゃんが迎えに来てくれる事になった。電話が終わると、制服を脱ぎ捨て、動きやすい服装に着替え、岩ちゃんの事を待った。時計と睨めっこしながら、岩ちゃんが来るのを今か今かと待ったけど、待ちきれず、家の外で岩ちゃんが来るのを待つ事にした。暫くすると、岩ちゃんの姿が見えた。
「岩ちゃん!」
岩ちゃんの方へ駆け出すと、早々岩ちゃんに怒鳴られる事になった。
「中で待ってろよ!危ねーだろうが!」
岩ちゃんは本当に心配性だ。なんか、
「お母さんみたい。」
その言葉に岩ちゃんは顔を歪めた。
「…及川みてーな事言うな。」
それを聞いて私は笑った。及川くんといる時の岩ちゃんもこんな感じなんだ。