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【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです

第2章 女の子


「三条!」


 今朝憎たらしい顔で私を見送ったお兄ちゃんが珍しく慌てた様子で走って来た。そんなお兄ちゃんの姿を見て、マッキーの瞳が揺れた気がした。


「大丈夫か?」
「…うん。」
「歩けるか?」
「別に怪我とかしてない。」


 あれ?お兄ちゃんの手は叩かないんだ。お兄ちゃんの手がマッキーの肩に触れてるのに、マッキーは嫌がる素振りを見せない。寧ろ、お兄ちゃんに身を任せてるようにすら見えた。


「千恵、ありがとな。」
「うん。」


 お兄ちゃんはちーちゃんの頭をぽんぽんと叩いた。昔からお兄ちゃんはちーちゃんには甘い。電話したのが私だったら、絶対迎えには来なかっただろう。


「じゃあ俺は三条連れて帰っから、お前ら適当に帰れよ。」
「え、ちょっと、蒼くん!私達は!?」
「うるせーから乗せねー。」


 マッキーの手を引いて歩いてくお兄ちゃんの背中にみのりんが暴言を吐いた。チビという言葉にだけ反応を示したが、やっぱり私達を車に乗せてくれる気は無いらしい。わざわざ仙台まで迎えに来て、帰る場所は同じなのに、妹置いてくとかどういう神経してんの!?


「あの人、郁ちゃんのお兄ちゃん?」
「…恥ずかしながら。」
「なんかムカつくね。」
「え?」


 聞き間違えかと思い、及川くんの顔を見たけど、いつも通り笑顔を浮かべていた。あれ?やっぱり聞き間違え…かな?


「つーか、郁ちゃんの家系って小人かなんか?お兄ちゃんって事は俺らより年上なんでしょ?」
「花巻くんも大概失礼だよね。」
「あれ?怒っちゃった?」
「私は今からもっともっと伸びるの!」


 それを聞いて花巻くんは笑った。


「郁ちゃんは小人のまんまでいーよ。なあ、岩泉!」
「なんで俺にふるんだよ。」


 少しだけ困ったような顔をした岩ちゃんを見て、まっつんがこっそり教えてくれた。あれ、照れてるだけだからって。


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