【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
「マッキー!」
体育館の裏。人気の無い場所。知らない男の人に手を捕まれたマッキーがそこにいた。
「ちょっと!マッキーに何してんの!?」
「…郁!」
マッキーはめちゃくちゃ美人だし、ナンパしたい気持ちが分からないワケじゃない。けど、嫌がる女の子の手を無理矢理掴んで、それでも男か!
勢いに任せ、そのまま強引に二人の間に割って入った。
「オイ、三条…何だよコイツ。」
てっきりナンパ野郎だと思っていたソイツはマッキーの名前を呼んだ。マッキーの知り合い?
「えっと…マッキーの友達?」
「…同中の奴。」
「それだけじゃねーだろ?」
その言葉にマッキーは目を伏せた。
「アンタがマッキーの何なのかは知らないけど、マッキー嫌がってるから帰ってくれる?どうしてもマッキーに話があるって言うなら私が聞くから。」
「小学生がしゃしゃり出て来んなよ。」
「高校生!」
それを聞いたソイツは声を上げて笑った。失礼な奴…!
「行こう、マッキー!」
マッキーの背中を押し、私の前を歩かせた。
「まだ話は終わってねーだろ!」
不意に伸びてきた悪意のある手。怯えた表情のマッキー。マッキーに触らないで…!
「永野!」
伸びてきた手を掴み、反射的にその男を放り投げた。勢い良く地面に叩き付けられる音が響いた。顔を上げると、少し先に呆気を取られたらような表情の岩ちゃんがいた。